店長：滝
聞いたことある！見たことある！…と、お声が聞こえてきそうな超有名ウイスキーブランド５選。
ただし、「12年」や「年数表示なし」のエントリーグレードではなく、なかなか出会う機会のない高級モデルのみを集めました。

たとえ味わいが良くとも、良く分からないウイスキー銘柄というのはそれだけでハードルを感じてしまうもの。
名前を知っているというのは、それだけで親しみやすいものだと思います。
もちろん、この５つのウイスキーは名前だけでなく、味わいの飲みやすさも抜群。

飲みやすさの秘密は製法にあり。
今回の５銘柄は、いずれも「ブレンデッドウイスキー」ジャンルにあたるものです。
ブレンデッドウイスキーとは、基本的には「モルトウイスキー」を「グレーンウイスキー」で割ったもののことです。

大麦麦芽(モルト)100%で造られるモルトウイスキーは、味わい･香りが豊か。
ただし、ややもするとクセがあり飲みづらいことがあります。
小麦･とうもろこし等の複数種類の穀物から造られるグレーンウイスキーは、味わい･香りがすっきりさっぱり。
ただし、あるいは淡白で味気ないともいわれます。
これらをちょうどよく混和することにより、ちょうど良い飲み口の、おいしいブレンデッドウイスキーが生まれるのです。

なるほど、２種類のウイスキーの組み合わせなのかと思えば、実はちょっと違います。
モルトウイスキーのうち、単一の蒸留所で造られたものを「シングルモルトウイスキー」といいますが、ここでいうモルトウイスキーは、数々のシングルモルトウイスキー同士をブレンドしてできる、シングルじゃないモルトウイスキー。
すなわち「ブレンデッド･モルトウイスキー」です。

小さな蒸留所、大きな蒸留所、甘いもの、辛いもの、さまざまなシングルモルトウイスキーをブレンド。
そこへ、グレーンウイスキーをブレンド。
自然と時間とが育むウイスキー、そこに職人の経験と技術が加わり織り成す味わいが、今回の５銘柄のブレンデッドウイスキーの魅力なのです。

「バランタイン 17年」のあだ名は「THE SCOTCH」。
数あるスコッチウイスキーの中でも、この17年こそが最も象徴的なスコッチであるからとのいわれによるものです。
それぞれシングルモルトウイスキーのグレンバーギー/ミルトンダフ/グレントファースなどがモルトウイスキーを構成し、バランタインの味わいを形成しています。

「ジョニーウォーカー」はナンバー1スコッチ。「18年」は、有名なブラックラベルの上位品にあたります。
スコッチウイスキーとして世界中で最も売れているウイスキーブランドが、このジョニーウォーカー。
シングルモルトウイスキーのカリラ/タリスカー/カードゥ/リンクウッドなどがモルトウイスキーを構成します。

「シーバスリーガル」のあだ名は「スコッチウイスキーのプリンス」
シングルモルトウイスキーのストラスアイラ/ロングモーンなどが味わいの核であると知られています。
お気に入りのブレンデッドウイスキーを見つけられたら、それを構成するシングルモルトウイスキーと飲み比べてみると、ウイスキーの楽しさはググっと広がってゆくのでオススメです。

「グランツ」を構成するシングルモルトウイスキーは、グレンフィディック/バルヴェニーなど。
スコッチウイスキーのナンバー1がジョニーウォーカーであるのに対し、シングルモルトウイスキー部門ではグレンフィディックが世界ナンバー1にあたります。

「オールドパー」を構成するシングルモルトウイスキーは、クラガンモアなど。
岩倉具視の欧米使節団が日本に持ち帰り、吉田茂や田中角栄が愛したウイスキーとして知られます。
もっとも、彼らが飲んだのはもうちょっとヤングなオールドパー。
時の政治家のお気に入りより、もっとハイグレードな「18年」を飲んでみる贅沢はいかがでしょう？