店長：滝
ゲール語で「水車小屋のある湿地」の意味のあるラガヴーリン。
「アイラの巨人」とも評された、ラガヴーリンのリッチなコクとヘビーピートフレーバーは、アイラモルトの中で最も重厚であるとも言われます。

看板商品は「16年」。
その蒸留所にとって、ちょっと高級品のような位置づけで16年熟成品がリリースされることは良くあることですが、看板商品が16年間の熟成を経ている例は非常に希。
看板商品に時間的コストをかけ、回転を鈍らせるということが経営面で不利であることは言うまでもないところですが、何しろ製造開始から商品完成までに16年間を要するため、需要に応じた生産を行うにも遠い未来を見越して行う必要があります。
お察しの通り、そんなことは不可能でして、コアなドリンカーからの評価も人気も高いまま、しかし売上と知名度はパッとせず、結果的に「眠れる獅子」のポジションに居続けているように思えるラガヴーリンなのです。

1816年から始まるラガヴーリンの歴史はついに200年を数えるところ、蒸溜所創業200周年の折には、記念品として「8年」がリリース。
これは、ウイスキーにとって歴史的な書を著したライター、アルフレッド氏が19世紀末にラガヴーリン蒸留所を訪れ、その8年物をテイスティングし、大変に絶賛したという逸話に則る復刻品でしたが、好評を博したため通常ラインナップに加わったものです。
「ダブルマチュアード」は、長期間の熟成を経た原酒を、甘口シェリーの中古樽に移し替えて短期間の追加熟成を経た逸品で、スイートとスモーキーとが共存する逸品。
蒸留所の特色の分かりやすいセッティングだと思います。どうぞお試しくださいませ。