店長：滝
1608年より歴史がはじまるブッシュミルズは、18世紀以前より現在にまで歴史の続く数少ないウイスキー蒸留所の1つ。
"単式三回蒸留製法のシングルモルトウイスキー"を最も代表するウイスキーブランドであるといえます。

単式三回蒸留製法とは何？
そもそもシングルモルトって何だっけ？という疑問にお応えすべく、モルトウイスキーができるまでをカンタンにご紹介します。

・大麦（バーレイ）を発芽させ、大麦麦芽（モルト）を得る。
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・挽いた"モルト"でお粥っぽいもの（麦汁）をつくり、酵素の力で糖を得る（糖化）。
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・"麦汁"に酵母を添加し、ビールっぽいもの（モロミ）をつくる。（発酵）
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・ヤカンのような釜（ポットスチル）で"モロミ"を炊き、低沸点のアルコールを分離させる。（単式蒸留）
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・気化したアルコールを冷却し、スピリッツ（蒸留酒）を得る。
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・ヤカンのような釜（ポットスチル）で"スピリッツ"を炊き、スピリッツの中の"良い部分"を切り出す。（再蒸留&ミドルカット）

二度目の蒸留で行う"ミドルカット"はスピリッツに含まれる風味の望ましくない部分を切り捨てる操作であり、これによりスピリッツがクリーンになるというワケです。
これを樽に詰めて熟成すると、ウイスキーの完成！
このような、単式蒸留を二回行うスピリッツ造りを「単式二回蒸留製法」といい、これはモルトウイスキーの一般的な製法であるといえます。

ところがブッシュミルズは…

・二度目の単式蒸留で"ミドルカット"したスピリッツを再度ポットスチルで炊き、更にミドルカット。

という操作を行ってから、磨きに磨いたクリーンなスピリッツを樽に詰め、熟成を行うという順序を採ります。
数えてみれば単式蒸留を三回も行うから、「単式三回蒸留」（トリプルディスティルド）。
少数の蒸留所が採用するコダワリの製法なのです。

「10年」は、ブッシュミルズのシングルモルトシリーズを最も代表する看板商品。
「16年」はスペインの葡萄酒であるオロロソシェリーや、ポルトガルの葡萄酒であるポートワインの熟成に使用した中古樽をウイスキーの熟成に使用したフルーティタイプ。
「21年」もオロロソシェリーの中古樽や、ポルトガルの葡萄酒であるマデイラワインの中古樽を使用した高級品。芳醇でスイートな味わいです。