店長：滝
スコットランドにおける政府公認第一号蒸留所「ザ･グレンリベット」。
ウイスキーといえば違法な密造酒、アウトローな方々の資金源だったりもしたという過去の歴史から、世界へ誇るイギリスの特産品へと上り詰めるまでのターニングポイントには、このグレンリベット蒸留所の存在があったのでした。

かつて密造者は、政府の目を盗むため、ハイランドやスペイサイドのような山岳地帯に身を潜めて「密造者の"谷"」を形成しました。
これは現在の蒸留所分布にも直接の影響を与えるものですが、特に密造の中心地でもあったリベット谷において、あえて政府公認の道を選んだグレンリベットは裏切り者扱いを受け、創業者はときに命を狙われることもあったといいます。
危険を冒したグレンリベットでしたが、その高いクオリティが証明されると大変な人気を博します。
すると、今度はその名声にあやかろうと、勝手に「グレンリベット」を名乗る偽グレンリベットが続々と出現。かのマッカランですら、かつては「MACCALAN-GLEN LIVET」を名乗ったこともあるくらいです。
グレンファークラス、グレンフィディック、グレンモーレンジィ、などなど、まるでシリーズものであるかのような蒸留所名の数々。この「グレン」は「谷」を意味する変哲のない言葉ですが、現在も続く「グレン」を頭にくっつけるブームを造ったのは、やはりグレンリベットなのでしょう。

看板商品は「12年」で、「18年」は長期熟成タイプ。
「ファウンダーズリザーブ」は1824年の創業をイメージしたヤングタイプで、爽やかな味わいを感じられます。