ユニークセット 4ピース

よくあるタイプのウイスキーではない変り種をお探しの方、定番品からもう一歩踏み込んだ技ありウイスキーを飲み比べてみたい方におすすめの、スターターセットです。

ワイルドターキー ライ (40度) / ケンタッキー
アイリーク カスクストレングス (58度) / アイラ
ラフロイグ クオーターカスク (48度) / アイラ
シーバスリーガル ミズナラ 12年 (40度) / ブレンデッド・スコッチ

それぞれに、はっきりと香り・味わいの異なる4種類のウイスキーを、30mlずつご案内します。



ワイルドターキー ライは、バーボン・ウイスキーの金字塔、ワイルドターキー蒸留所でつくられるライ・ウイスキーです。
 ライ・ウイスキーとは、ライ麦を原料の半分以上(51%以上)使用したウイスキーのことで、トウモロコシを原料の半分以上(51%以上)使用するバーボン・ウイスキーとはタイプの異なるウイスキーです。
 しかし、バーボン・ウイスキーに大麦、小麦、ライ麦が使われるのと同様に、ライ・ウイスキーにもトウモロコシ、大麦、小麦が使われることから、原料比率は違えど、使用原料自体に大きな違いはありません。

 トウモロコシには酒質を力強く、どっしりとさせる効果があることは、はじめてセット 4ピースでお伝えした通りですが、ライ麦にはピリリと辛口にする効果があるといわれています。
 バーボン・ウイスキーワイルドターキー 8年と、ライ・ウイスキーのワイルドターキー ライ
 一味違う味わいを、比べて確かめてみてはいかがでしょう。



アイリーク カスクストレングスアイラ島産カスク・ストレングス、シングルモルト・スコッチ
 ザ・ハイランズ&アイランズスコッチカンパニーというボトラー(瓶詰業者)による、ボトラーズ(アンオフィシャル)で、蒸留所は公開されていません。

 ボトラーズ(アンオフィシャル)のご説明の前に、オフィシャルとは。
 蒸留所またはそのオーナー会社が瓶詰めをして製品化された商品をオフィシャルといい、ボウモア蒸留所がつくったボウモア 12年や、ディアジオ社の販売するジョニーウォーカー ブラックラベル 12年などはこれにあたり、はじめてセット 4ピーススコッチセット 5ピースでご紹介したウイスキーは全てオフィシャルのウイスキーです。
 大雑把な言い方をすれば、普段目にすることの多い、いわゆる普通のウイスキーは全てオフィシャルであるといっても間違いは少ないでしょう。

 一方のボトラーズ(アンオフィシャル)とは、独立業者が蒸留所から原酒を買い付け、独自に瓶詰(ボトリング)した商品を指していいます。
 国産大手ではあまりみられないことですが、イギリスでは蒸留所が生産した原酒の詰まった樽を、そのまま樽ごとボトラー(瓶詰業者)に販売し、ボトラーが独自に商品化するということがしばしばあるのです。

 アイリーク カスクストレングスアイラ島産のシングルモルトですが、アイラ島にアイリーク蒸留所というものは存在しません。
 では、どこの蒸留所でつくられているのかというと、非公開とされています。
 ボトラーズの中に蒸留所名を明記しているウイスキーは数多くありますが、蒸留所名非公開というものも珍しくありません。

 では、どうして蒸留所名が非公開なのか。
 蒸留所が瓶詰め業者にウイスキーを販売するとき、この樽のウイスキーは我が蒸留所の物だと名乗らないでほしいと条件付で販売することがあるからです。
 なぜ蒸留所名を名乗らせないかについて、理由は様々考えられます。
 例えば、ラガヴーリン蒸留所ラガヴーリン 16年という蒸留所名を冠したシングルモルト・ウイスキーを製造していますが、ボトラーがラガヴーリン蒸留所から原酒を買い付け、ラガヴーリン 16年と似た名前で廉価販売してしまえば、割高なオフィシャル品の売れ行きは曇ってしまうかもしれません。
 また、ウイスキーは熟成環境がその味が大きく異ならしめるところ、ボトラーがまだ熟成の進んでいない若いラガヴーリンの樽を買い付け、自社倉庫で独自に熟成させたウイスキーが「ラガヴーリン」を名乗ることで、そのブランドイメージに影響を与え得るということも考えられます。
 極端なことをいえば、「ラガヴーリン原酒配合・ラガヴーリンの香るトイレの芳香剤」なんてものが売り出されれば、それがラガヴーリン蒸留所にとって迷惑な存在であることは明白でしょう。

 ネガティブな例が続きましたが、ボトラーズの魅力についても触れたいと思います。
 ボトラーズの最大の魅力として、オフィシャルのシングルモルトの製造・販売をしていない蒸留所の原酒を、シングルモルトとして製品化し販売している点が挙げられます。

 例を挙げると、ブレンデッドウイスキー・バランタインの重要な原酒(キーモルト)のひとつであるグレンバーギは現在、グレンバーギ蒸留所として「グレンバーギ10年」のような商品を販売していません。
 では、グレンバーギ蒸留所でつくられたウイスキーはどこへ行ってしまうのかといえば、その殆どはバランタインのようなブレンデッドウイスキーの原酒へと供給されるのです。
 このように、主にブレンデッドウイスキー用のモルトウイスキー製造を行っている蒸留所というのは少なくなく、むしろ、製造したウイスキーの多くををシングルモルトとして販売するような蒸留所はむしろ稀です。
 バランタインのファンにとって、グレンバーギの存在は気になるもの。
 しかしグレンバーギでシングルモルトの販売はされておらず…、そこで活躍するのが、ボトラーズです。

 ここで、あるボトラーがグレンバーギ蒸留所から直接に10年熟成の原酒を樽ごと買い取り、独自に瓶詰め(ボトリング)し、販売する。
 もしくは、グレンバーギ蒸留所から8年熟成の樽をごと買い取り、独自に2年間の熟成の後、瓶詰し、販売する。
 このようなボトラーの働きにより、シングルモルト「グレンバーギ10年」を我々消費者も楽しむことができます。
 同様に、オフィシャルリリースには存在しない「ラフロイグ5年」のようなウイスキーを販売することもできるのです。

 では、ボトラーが一生懸命に頑張れば、いつ酒販店に行っても安定した品質のグレンバーギ10年を買うことができるのかといえば、それはなかなか実現しそうにありません。
 どんな蒸留所にも生産力には上限があり、さらに熟成庫にも限度があります。
 その中で、バランタインになるべくつくられたグレンバーギの原酒を、肝心のバランタインの製造を滞らせてまでボトラーに販売することは、やはり考えられないからです。

 ラフロイグ蒸留所の熟成庫ならば、一部の例外を除き、見渡す限りの樽に詰められたウイスキーはラフロイグ原酒であることでしょう。
 数多の熟成樽の中から、多くの10年熟成樽をピックアップし、それらをブレンドしてつくられることで、オフィシャルのラフロイグ10年は安定的な品質を保たれています。
 一方で、ボトラーリリースのグレンバーギ10年は、オフシャルリリースと比較して、ブレンドに用いる樽を数多く確保できるわけではありません。
 たった1樽だけの原酒を瓶詰めし、販売することもしばしばです。(シングルカスク)
 従って、ボトラーリリースの多くは、その場限りの限定品になることがあり、その希少性から、オフィシャルリリースよりも高価になることが珍しくないのです。
 
 アイリーク カスクストレングスシングルモルト・ウイスキーであるということは、蒸留所非公開といえど、いずれかの蒸留所でつくられたモルト・ウイスキーを100%使用しているということ。
 ですから、蒸留所名の記されていないシングルモルト・スコッチがどこでつくられたウイスキーかを想像するのは、楽しみ方の一つでもあります。
 アイラ島に蒸留所はそう多くありませんので、アイリーク カスクストレングスを飲みながら、ラガヴーリンかな?ラフロイグかな?と想像してみると、いっそう楽しめることでしょう。



続きまして、ラフロイグ クオーターカスクは、小さな熟成樽を使用したラフロイグ蒸留所の特別なシングルモルト・スコッチです。
 本品は、2016年秋ごろに惜しまれながらも終売されてしまいました。

 ウイスキーを熟成する樽には、シェリー樽やバーボン樽があるということはスコッチセット 5ピースでご紹介しましたが、実はもっと様々な種類の樽が存在します。
 中古樽としての分類には、シェリー樽やバーボン樽のほか、ワイン樽、貴腐ワイン樽ポートワイン樽マデイラワイン樽、ブランデー樽などが存在し、ラム樽、ビール樽といった意欲作も注目を集めています。
 シェリー樽の中でも、ザ・マッカラン 12年に代表される辛口のオロロソ樽と、甘口のペドロヒメネス樽とではウイスキーの仕上がりは大きく異なります。
 反対に、スコッチウイスキーの中古樽で熟成させたワインやベルモットも存在し、個性的な味わいを感じることができます。

 また、熟成期間の多くをバーボン樽で眠り、瓶詰前の短期間を別の樽に移して追加熟成を施す製法を「ダブルマチュアード」といい、シェリー樽で追加熟成させたウイスキーを「シェリーカスク・フィニッシュ」といいます。
 いずれも、新樽熟成の義務付けられているバーボン・ウイスキーではみられない製法で、スコットランド産や日本産のウイスキーに多くみられる製法であるといえます。
 初めて熟成に使われる樽は「新樽」と呼ぶのに対し、その中古樽を再利用したものは「ファーストフィル」、再々利用ならば「セカンドフィル」と呼ばれます。
 新樽の強い木香は、熟成とフィルを重ねながら次第に落ち着いたものとなってゆきます。
 このような、これまで経てきた「樽の履歴」のウイスキーの風味への影響は大きく、売り文句としてラベルにも明記されることがしばしばあります。

 次に、樽の大きさについて。
 樽は、バーボン樽に多い「バレル」(180l)のほか、「ホグスヘッド」(容量230l)、「パンチョン」(480l)などさまざまで、スコッチウイスキーでは700l以下の容量の樽での熟成が義務付けられています。
 大きな樽での熟成は、ウイスキーの液量あたりの樽内側の表面積が小さいため、緩やかに時間をかけて熟成が進みます。
 一方で、容量の小さい樽の場合は、ウイスキーの液量あたりの樽内側の表面積が大きいため、樽がウイスキーに対してより強い影響を与えるという効果があります。

 さて、ラフロイグ クオーターカスクはというと、ファーストフィルのバーボン樽を解体し、127lのコンパクトサイズに再製樽された樽で熟成されています。
 このことから、通常の熟成の中では少しずつ失われてゆく強いスモーキーさ、大麦麦芽のフレッシュな香り、力強く若々しいアルコール感を残したまま、強く樽香を感じられる、長熟と短熟の特徴を併せ持つ仕上がりを実現しているのです。

 余談ですが、ウイスキーの樽には、樹齢100年を越える木が使われます。
 そうした木を樽材として加工し、新樽で幾年、ファーストフィルで幾年、セカンドフィルでさらに幾年…、と繰り返し、長いものでは製樽から80年以上もの歳月を経るといわれます。
 こうして熟成の役目の終えた樽は、さらに加工されて、燻製材や家具などに再利用されます。
 樽の形をした居酒屋のテーブルや、樽材を使ったプランターを見かけたことはありませんか?
 もしかしたら彼らは、長きにわたってウイスキーを育んできた揺り籠だったのかも知れません。
(まあ、樽材として不出来だからといって、早々に見放されたのかも知れませんけれど。)



最後に、シーバスリーガル ミズナラ 12年は、日本産ミズナラ樽で熟成を重ねた、日本国内限定で販売される特別なシーバスリーガルで、キーモルトはストラスアイラです。

 ウイスキーの樽に使われる木材は様々ですが、バーボン樽には北米産アメリカンオーク。シェリー樽やワイン樽にはヨーロッパ産スパニッシュオーク、コモンオークといった品種が多用されます。
 スコッチウイスキーを手本につくられた日本産ウイスキーは、現在でもこれらの木材から成る樽を多く使用していますが、戦争の最中には樽造りに適した木材の輸入が十分にできなくなってしまいました。
 そこで、その代替にと選ばれたのが国産の水楢(ミズナラ)です。
 しかし、樽熟成に適したミズナラは樹齢200年とも300年ともいわれ、貴重で高価なものであったため、戦後、流通が回復した頃合いからは再び輸入樽が主流になり、現在に至ります。

 この日本産ミズナラに目を付けたのがシーバスリーガルのマスターブレンダー、コリン・スコット氏で、本品は日本人の味覚に合わせてブレンドを施し、日本国内限定で販売されています。
 シーバスリーガルといえば、シーバスリーガル 12年が看板商品。
 樽材由来の香りを、比べて確かめてみてはいかがでしょう。



さて、前2回の例に漏れることなく、長々とご案内させていただきました。
私なんぞの綴ったものが、ウイスキーを楽しむことの手助けになれたならば幸いです。

ざっくり講義、これにて終了。ありがとうございました。
販売価格 1,200円(内税)
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