スコッチセット 5ピース

はじめてセット 4ピースを楽しまれて、ウイスキーに興味をもたれた方や、スコッチウイスキーを飲み比べてみたい方におすすめの、スターターセットです。

シーバスリーガル 12年 (40度) / ブレンデッド
ザ・マッカラン 12年 (40度) / スペイサイド
グレンモーレンジィ オリジナル (40度) / ハイランド
オーヘントッシャン 12年 (40度) / ローランド
ボウモア 12年 (40度) / アイラ

それぞれに、はっきりと香り・味わいの異なる5種類のスコッチを、30mlずつご案内します。



シーバスリーガル 12年は、スコットランドを代表するブレンデッド・ウイスキーのひとつで、キーモルトはストラスアイラです。
 キーモルトとは、ブレンデッド・ウイスキーを構成するモルト・ウイスキーの、その主人公のようなもので、ブレンデッド・ウイスキーの風味を決定づける上で重要な役割を担っています。
 ストラスアイラ 12年シーバスリーガル 12年の香りを比べてみれば、シーバスリーガル 12年
の中にストラスアイラ 12年のキャラクターを感じられることでしょう。

 シーバスリーガル 12年ブレンデッド・スコッチであるということは、シーバスリーガル 12年
は、はじめてセット 4ピースでご紹介したホワイトホース ファインオールドの仲間であるわけですが、「12年」という具体的なエイジング表示のあるところが特徴です。

 ウイスキーは、樽内熟成を経ることで、蒸留したての液(ニューポット)に強く感じられる原料そのものの穀物香や、麦芽・その他穀物を乾燥する際につく燻製香、元気いっぱいの鋭いアルコール感は次第に失われてゆきます。
 一方で、その味わいはまろやかで丸みを帯びたものとなり、樽由来の香りを楽しむことができる、落ち着いたウイスキーへと成長してゆきます。
 12年といえば、干支がひとまわりする長い期間。新生児は小学校を卒業するまでに育つのですから、ウイスキーの味わいが変化するのも納得です。

 さて、ブレンデッド・ウイスキーは多種多様なモルト・ウイスキーとグレーン・ウイスキーとを混ぜ合わせてつくられるところ、「12年」のようなエイジング表示がある場合、11年熟成や10年熟成といった、それに満たないウイスキーは「12年」をブレンドするにあたり、一切使用することができません。
 一方で、13年熟成や14年熟成といった、それを上回る熟成年数のウイスキーならば、分量を問わずに使用することができます。
 この決まりは、ブレンデッド・スコッチのみならず、ウイスキー主要生産国の全てのウイスキーで共通です。
 従って、例えばシーバスリーガル 12年に、ある10年熟成のウイスキーを一滴垂らして混ぜ合わせれば、それは10年熟成のブレンデッド・ウイスキーと認められ、取り扱われることになるのです。

 ウイスキーの中にはエイジング表示がなく、公表していないものも多く存在します。
 例えばブレンデッド・スコッチジョニーウォーカー レッドラベルや、アメリカンウイスキーI.W.ハーパー ゴールドメダルなどにはエイジングの表示がありません。
 ならば、エイジング表示のないウイスキーは未熟な安酒なのかといえばそうでなく、高級ウイスキーにもこのようなエイジング表示のないウイスキーは多数存在します。
 
 その理由はさまざま考えられますが、まずひとつは、それが熟成年数にとらわれず、自由なブレンドを施したウイスキーである場合が挙げられます。
 ここで、希少な長期熟成原酒の中に、刺激的な風味の短熟ウイスキーをブレンドすることで、個性的な味わいのウイスキーをつくったとします。
 このとき、その短熟ウイスキーがわずか3年熟成であったなら、当然その商品は3年熟成品として取り扱わなければならないのがルールであるわけなのですが、希少な長期熟成原酒がそれはもう大層ご立派なお酒だったとき、「3年」という表示はその商品のイメージダウンを招きかねません。
 このことから、エイジング表示を避け、あえて無表示で売り出すウイスキーがあるのだろうと推測することができます。

 そのウイスキーが「スコッチウイスキーである」と認められるためには様々な条件がありますが、そのうちの1つに「3年以上の樽内熟成」というものがあります。
 また、バーボン・ウイスキーのうち、2年以上の樽内熟成を経た原酒のみを使用したウイスキーを特に「ストレート・バーボン・ウイスキー」といいます。
 従って、スコッチウイスキーならば最低でも3年、ストレート・バーボン・ウイスキーならば最低でも2年の樽内熟成を経ているということが分かります。
 このとき瓶詰した状態で経過した期間は熟成年数には数えません。
 なお、当店で取り扱うバーボン・ウイスキーは、すべてストレート・バーボン・ウイスキーです。



続きまして。
 ザ・マッカラン 12年は、スペイ川の川沿いにその蒸留所をもつ、シングルモルト・ウイスキーです。
 シングルモルト・ウイスキーとは、モルト・ウイスキーのうち、1つの蒸留所でつくられた原酒のみを使用したウイスキーのことをいいます。
 多くのブレンデッド・ウイスキーとの大きな違いは、グレーン・ウイスキーを一切使用しない点です。
 個性が少なく、風味の軽く穏やかな性格のグレーン・ウイスキーは使用せず、全てモルト・ウイスキーを使用するため、シングルモルト・ウイスキーは個性豊かで味わい深いウイスキーであるといえます。

 ザ・マッカラン蒸留所のあるスペイサイド地方は、スコッチ・ウイスキー蒸留所の、その約半数が集中する最大産地です。
 ザ・マッカラン 12年のキャラクターの特徴として挙げられる、最も特筆すべきは、その熟成樽に「シェリー樽」を100%使用しているという点です。
 シェリー樽とは、シェリーを熟成した後の中古の空樽のことで、この中古の樽でウイスキーを熟成させることにより、できあがるウイスキーはルビーのような深い紅色と甘美な味わいを纏うといわれます。

 歴史的に、スコッチ・ウイスキーの熟成に使う樽といえば、それはシェリー樽です。
 通販で酒を買えば、"われもの注意"のステッカーが貼られて自宅に届く…、なんてことは考えられなかった18世紀のイギリスで、スペインからの輸入シェリーを運搬するのに使われる容器は、まさに木製の樽でした。
 そして、シェリーを飲み干し、不要になったその空き樽に密造ウイスキーを隠したことが樽熟成のはじまりだったと考えられています。
 しかし、現在はどうかというと、スコッチ・ウイスキーの熟成樽の、その全体の8割程度がバーボン・ウイスキーを熟成した後の中古の樽だといわれており、これを「バーボン樽」といいます。

 一方のバーボン・ウイスキーを熟成するにあたっては、必ず新品の木樽で熟成しなければならないとする法律の定めがあります。
 従って、バーボン・ウイスキーの熟成にはシェリー樽を用いることも、中古のバーボン樽を用いることもできません。
 バーボン樽の容量は一般に180lで、販売されるバーボン・ウイスキーは700mlと750mlのものが主流。
 中古樽の再利用が認められないとあっては、次から次へと中古の空き樽が生まれてゆくのが分かります。
 結果として、スコッチウイスキーのシェリー樽文化は、入手が容易なバーボン樽に取って代わられる格好で現在に至っているのです。
 

どうでもよい話をひとつ。
 シングルモルト・ウイスキーを略し、"シングルモルト"と呼ぶのは、もちろん一般的なことです。
 更に略して"モルト"なんて呼ばれ方をする事もありますが、私がウイスキーに興味を持ち始めた頃に、どうにもシングルモルトという言葉を気持ち悪く感じたことを覚えています。
 だって、シングルモルト・ウイスキーの"Single"とは"単一蒸留所"を指すところ、"Single Malt"ならば、これは"単一麦芽"ではありませんか。
 "Single, Malt Whisky"ならば分かりますが、"Single Malt, Whisky"と区切るなら、これは"単一麦芽ウイスキー"と読み取れてしまいます。

 実際のところ、シングルモルト・ウイスキーを単一品種の大麦麦芽のみを用いて製造しているという例はかなり稀です。
 かつて、ザ・マッカラン蒸留所では、使用する大麦麦芽の全量を、ゴールデンプロミスという品種の大麦で統一されていました。(現在は変更されています。)
 この意味でいえば、かつてのザ・マッカランは"Single, Malt Whisky"でありながら、"Single Malt, Whisky"でもあったといえたのでしょう。



続いて、グレンモーレンジィ オリジナルハイランド地方にその蒸留所をもつ、10年熟成のシングルモルト・ウイスキーです。
 日本での知名度はそこそこといったところで、輸入シングルモルト・スコッチ売上一位のザ・マッカラン 12年には遠く及ばなかろうと思います。
 しかし、本場スコットランドで最も売れているシングルモルト・スコッチは、実はグレンモーレンジィなのです。

 グレンモーレンジィ オリジナルの特徴として挙げたい点は、その熟成樽に「バーボン樽」を100%使用しているという点です。
 これは、「シェリー樽」を100%使用したザ・マッカラン 12年とは対照的であるといえます。
 ウイスキーのタイプとして、シングルモルト・スコッチである点はいずれも共通。
 香りのタイプとして、燻製香が弱く、華やかでエレガントさを感じられるである点でも共通的。
 アルコール度数も、それぞれ等しく40度。
 しかし、樽のタイプはきっぱりと異なることから、ザ・マッカラン 12年との飲み比べを楽しんでいただくにはグレンモーレンジィ オリジナルこそ適していると考えて、当セットにチョイスいたしました。

 ザ・マッカラン蒸留所をはじめ、スコッチ・ウイスキーの仕込み水には軟水が用いられることの多い中で、グレンモーレンジィ蒸留所では、珍しくその仕込み水に硬水を使っている点も特徴のひとつ。
 なお、アメリカンウイスキーの蒸留所では反対に、硬水が多く用いられます。



オーヘントッシャン 12年は、ローランド地方シングルモルト・ウイスキー
 熟成樽には、グレンモーレンジィ オリジナルと同様にバーボン樽が用いられています。

 オーヘントッシャンの最大の特徴は、スコッチウイスキーでありながらアイルランド伝統の3回蒸留を行っている点です。
 これは、はじめてセット 4ピースでも紹介したジェムソンにも同様にみられる製法の特徴でもあります。
 シングルモルト・スコッチのうち、3回蒸留を行っているのはオーヘントッシャン蒸留所が稀な例であり、そのため、シングルモルト・スコッチとしては軽やかで、すっきりとした味わいを感じられます。

 また、多くの蒸留所が自然に囲まれた立地に建立された中、オーヘントッシャン蒸留所は大都市グラスゴーの近くで生産を続けている点も、特徴のひとつ。
 グレンモーレンジィグレンフィディックグレンドロナックザ・グレンリベット…などなど、スコッチウイスキーにはグレンと名のつく蒸留所がいくつも存在します。
 このグレン(glen)とは「谷」を意味する言葉です。
 ウイスキーづくりに必要な清らかな水の集まるところ、それがすなわちグレンであるため、グレンと名の付く蒸留所の環境には、自然豊かな場所が選ばれていることが多いのです。



最後にご紹介するボウモア 12年は、アイラ島という小さな島に蒸留所をもつシングルモルト・ウイスキー
 ボウモアの特徴は、「ピート香」をはっきりと感じられる点です。
 ピートとは、湿地帯を覆う泥炭のことで、コケや海藻のような植物の遺骸が堆積してできるものをいい、燃料として使われます。
 モルト・ウイスキーをづくりに必要な大麦麦芽(モルト)をつくる工程では、程よく発芽させた大麦麦芽を必要以上に成長させないため、大麦麦芽を乾燥させることが必要になりますが、ボウモア蒸留所の場合、そのときに炊き込まれるのがピートを燃やした煙なのです。
 この煙は大変特徴的な香りであり、ピート香の由来となります。
 ピートの香りを好む飲み手にとって、ピートは単なる燃料ではなく、重要な調味材料であるといって良いでしょう。
 このピート香はアイラ島産シングルモルトに共通してみられる特徴で、ピート香が感じられることを「ピーティー」、ピートで燻された麦芽を「ピーテッド麦芽」といいます。
  
 ピーティー(ピート香)と混同されやすいものに、スモーキー(燻香)、ヨード香が挙げられます。
 スモーキーとは燻した香り全般を指す言葉で、ピート以外の燃料で燻した際につく燻製香を含めたものをいいます。
 従って、ピーティーならばスモーキーであれ、その逆は必ずしも真ではありません。
 ヨード香とは、ヨードチンキや正露丸に例えられる香りのことで、ヨード香をよく感じられるウイスキーとしてはラフロイグが代表的です。
 このヨード香は、ピートを形成する海藻由来の香りであるため、ヨード香があればピーティーであれ、その逆は必ずしも真ではありません。
 なぜなら、アイラ島産のピートとその他産地のピートでは、その組成植物やピートが形成された年代が異なるため、その他産地のピートを燻して炊き込んだところで、必ずしもヨード香が現れるわけではないからです。

 アイラ島産でないピーティーなシングルモルトとして、スカイ島タリスカーや、オークニー諸島ハイランドパークキャンベルタウンスプリングバンクインドのアムルット(ピーテッド アムルット)、北海道の余市…などなど、これらの他にもさまざま挙げられます。
 それらの違いはもちろん、ピート質に限ったことではありませんが、スモーキーフレーバーがお好みなら、ボウモア 12年と飲み比べてみてはいかがでしょうか。
 
 余談ですが、ピート層(泥炭層)が1?の厚みを得るために必要な期間は、100年とも200年以上であるともいわれます。
 そして、更に数億年以上もの時を経て、ピートが化石化したものが、石炭です。
 泥、石、といった字面からは想像しづらいものですが、泥炭も石炭も、ルーツを辿れば植物なのです。



さて、はじめてセット 4ピースの折よろしく、ウェブサイトのレイアウトバランスなんてものも気にせずに、長々とご案内させていただきました。

 もしもザ・マッカラン 12年をお気に召したなら、今度は同じスペイサイド地方のシングルモルト、ザ・グレンリベットと比べてみてはいかがでしょう。
 地域に共通する味わいを見つけられるかも知れません。

 ちょっとお高いけれど、ザ・マッカラン 18年を試してみて熟成具合の違いを比べるのは必見といえます。
 熟成こそウイスキーの神秘ですから。

 同じくシェリー樽熟成の、グレンドロナックベンリアックと味わいを比べてみるのも手です。
 グレンドロナック 12年 シェリーカスク、とっても美味しいウイスキーですよ。

 シェリー樽で熟成したスモーキーウイスキー、アードベッグ ウーガダールなんてものも、意外な香りを楽しめます。
 ピーティーで、なおかつシェリーの甘味、そして無加水(カスク・ストレングス)のパワー。どうなっちゃうか、気になりませんか?

 ザ・マッカランをキーモルトにしたブレンデッド・ウイスキー、ザ・ネイキッドグラウスを飲んでみるのも良いかも。
 私なんかに言わせれば、ザ・ネイキッドグラウスは抜群の良コスパ品です。

 たまにはスコッチから離れて、今度はアメリカンウイスキーのI.W.ハーパー 12年を試してみるというのはいかがでしょう。
 性質の全く異なるウイスキーでさえ、ザ・マッカラン 12年と同じだけ熟成されたウイスキーなんだな、と思って飲むと、その面白みは格別です。
 あるいは、一度ウイスキーから離れて、オロロソ・シェリーをそのまま飲んでみるのも良いでしょう。(当店でのお取り扱いはありませんが。)

 そんなこんなを経験してから、改めて、ザ・マッカラン 12年を飲みなおしてみる。
 すると、どうでしょう。
 今まで見つけることのできなかった新しい香りや味わいを、ザ・マッカラン 12年から発見することができるはずです。

こんな具合に、あれやこれやと飲み比べることを、私は何より楽しく感じています。
この楽しさをお手軽に感じてもらいたくって、こうしたウェブショップを構えるに至ったくらいなのですから。

 もっとも、その結果に、好きだったはずのウイスキーが色あせて感じることもあるのですけれど。
 あれ、こんなマズいもんだったんだっけ、なんてね。
販売価格 1,800円(内税)
購入数


About the owner

JOB:てんちょう LEVEL:1


しょじきん       3079
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つぎの おかいもの・・・
ラフロイグ 25年(2015年リリース)
レベルアップ  したら・・・
ザ・グレンリベット コード

はんばい かいし よてい

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